TypeScriptジェネリクスをサクッと理解【その1 型定義に対して使うジェネリクス】
2024.3.16
この記事は約3分で読めます
この記事の筆者:三好アキ
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TypeScriptのジェネリクスはむずかしい?
下記のようなT
やK
の入ったTypeScriptのコードを「ジェネリクス」といいます。
function example<T, K>(a: T, b: K): [T, K]{
return [a, b]
}
T
やK
が入っていて、見た目だけですでに難しく感じます。
実際ジェネリクスに苦手意識を感じている人は世界中にたくさんいます。
しかし、ひとつひとつ理解をしていけば実はシンプルなのがジェネリクスです。
4回に分けて紹介します。
この記事は全4回の1つ目です
*1(本記事)→ TypeScriptジェネリクスをサクッと理解【その1 型定義に対して使うジェネリクス】
2 → TypeScriptジェネリクスをサクッと理解【その2 functionに対して使うジェネリクス】
3 → TypeScriptジェネリクスをサクッと理解【その3 型定義とfunction両方に対して使うジェネリクス】
4 → TypeScriptジェネリクスをサクッと理解【その4 複数のジェネリクスをつかう】
ジェネリクスは何に使う?
ジェネリクスとは、「とりあえずの仮置きとして置かれた、実質的な中身のない型情報」のことです。
「型はあとで決める」という柔軟さと、複数のオブジェクトやfunctionに対して使い回すことのできる汎用性がジェネリクスのメリットになります。
とはいえ、このような言葉の説明ではわかりづらいのでコードで確認しましょう。
ジェネリクスを「型定義に対して使うもの(1回目/本記事)」と「functionに対して使うもの(2回目)」に分け、最後に「両方を合わせたケース(3回目)」と、「複数のジェネリクスの使い方(4回目)」を紹介します。
本記事で触れるのは1つ目の「型定義に対して使うもの」です。
ジェネリクスを型定義に対して使う
次のコードがあったとします
// main.ts
const userOne: any = {
data: "太郎",
color: "赤"
}
any
の代わりに、しっかりした型定義を用意しましょう。
// main.ts
// ⬇追加
type User = {
data: string;
color: string;
}
// ⬆追加
const userOne: User = { // 修正
data: "太郎",
color: "赤"
}
しかしもしここで、次のような2つ目のデータがあると、この型定義ではエラーが出ます。userTwo
のdata
の型がnumberだからです。
// main.ts
type User = {
data: string;
color: string;
}
const userOne: User = {
data: "太郎",
color: "赤"
}
// ⬇追加
const userTwo: User = {
data: 2002,
color: "緑"
}
// ⬆追加
なので型定義User
をもっと抽象化して、より広く使えるようにしましょう。
次の変更を加えてください。
// main.ts
type User<T> = { // 変更
data: T; // 変更
color: string;
}
const userOne: User = {
...
<T>
は仮置きの型、実質的な中身のない型に過ぎません。
これを意味あるものにするには、実際の型を注入する必要があります。次のコードを追加しましょう。
// main.ts
type User<T> = {
data: T;
color: string;
}
const userOne: User<string> = { // 追加
data: "太郎",
color: "赤"
}
const userTwo: User<number> = { // 追加
data: 2002,
color: "赤"
}
これが型定義対して使うジェネリクスです(型引数/Type parametersとも呼ばれます)。
一般的には<T>
や<K>
、<U>
などが使われますが、<ArgType>
や<Name>
など任意の文字でも大丈夫です。
次の記事では「functionに対するジェネリクス」を解説します。
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