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TypeScriptジェネリクスをサクッと理解【その3 型定義とfunction両方に対して使うジェネリクス】

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この記事は約3分で読めます

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この記事の筆者:三好アキ


🔹 Amazonベストセラー1位を複数回獲得している『はじめてつくるReactアプリ with TypeScript』著者。

🔹 自身のJavaScript挫折経験をもとに、HTMLとCSSの知識だけで本格的なアプリ開発を始められる入門書を多数執筆中。合計著作は22冊を超える。

🔹 専門用語なしでプログラミングを教えるメソッドに定評があり、1200人以上のビギナーを、最新のフロントエンド開発入門に成功させる。


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TypeScriptのジェネリクスはむずかしい?

この記事はジェネリクスをサクッと解説する全4回の記事の3つ目です

1 → TypeScriptジェネリクスをサクッと理解【その1 型定義に対して使うジェネリクス】

2 → TypeScriptジェネリクスをサクッと理解【その2 functionに対して使うジェネリクス】

*3(本記事)→ TypeScriptジェネリクスをサクッと理解【その3 型定義とfunction両方に対して使うジェネリクス】

4 → TypeScriptジェネリクスをサクッと理解【その4 複数のジェネリクスをつかう】

型定義とfunction両方のジェネリクス

次のfunctionがあったとします。

// main.ts

function example(b: any){
    return b.data
}

これは、渡されたbというany型のデータをreturnするだけのfunctionですが、b.dataとなっているところから、bはオブジェクトだとわかります。

実際の動きを見るには、次のコードを追加しましょう。

// main.ts

// ⬇追加
const userOne: any = {
    data: "太郎",
    color: "赤"
}
// ⬆追加

function example(b: any){
    return b.data
}

// ⬇追加
console.log(
    example(userOne)
)
// ⬆追加

そしてJavaScriptに変換して実行すると、ブラザウのコンソールには「太郎」と表示されます。b.data、つまりuserOne.dataは「太郎」だからです。

ここで次のデータを足してみます。ここからは1回目で触れた「型定義のジェネリクス」の復習となります。

// main.ts

const userOne: any = {
    data: "太郎",
    color: "赤"
}

// ⬇追加
const userTwo: any = {
    data: 2002,
    color: "緑"
}
// ⬆追加

function example(b: any){
    return b.data
}

console.log(
    example(userOne)
)

// ⬇追加
console.log(
    example(userTwo)
)
// ⬆追加

anyとなっているところにジェネリクスを使って型情報を追加しましょう。まずuserOneuserTwoの型定義です。

繰り返しになりますが、ここでジェネリクスを使う理由は、stringとnumberという異なる型がdataに入っているuserOneuserTwo両方に適用可能な柔軟な型定義を作るためです。

// main.ts

// ⬇追加
type User<T> = {
    data: T;
    color: string;
}
// ⬆追加

const userOne: User<string> = {     // 追加
    data: "太郎",
    color: "赤"
}

const userTwo: User<number> = {     // 追加
    data: 2002,
    color: "緑"
}

function example(b: any){
    ...

次はfunctionのanyを修正しましょう。

まずbというオブジェクトに型定義Userを当てはめます。

function example(b: User){
    return b.data
}

次のエラーが出ます。

image

「Generic type 'User' requires 1 type argument(s)」とは「Userには型引数がひとつ必要です」という意味なので、型引数である<T>を追加します。

function example(b: User<T>){
    return b.data
}

returnするデータの型も追加します。

returnするb.dataは、userOneであれば「太郎」というstring、userTwoであれば「2002」というnumberといったように定まっていないので、「型はあとで決める」という柔軟さを得られるジェネリクスを使い、次のように書きましょう。

function example(b: User<T>): T{
    return b.data
}

最後に、このfunctionがジェネリクスを使っていることを明示する必要があるので、さらにもうひとつTを書き足します。

function example<T>(b: User<T>): T{
    return b.data
}

これが型定義とfunctionの両方にジェネリクスを使ったケースになります。

いまコード全体は次のようになっています。

// main.ts

type User<T> = {
    data: T;
    color: string;
}

const userOne: User<string> = {
    data: "太郎",
    color: "赤"
}

const userTwo: User<number> = {
    data: 2002,
    color: "緑"
}

function example<T>(b: User<T>): T{
    return b.data
}

console.log(
    example(userOne)
)

console.log(
    example(userTwo)
)

ジェネリクスは複数使うこともできるので、本連載の最後に見てみましょう。


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