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【比較】WooCommerceとShopify ― 成功するECはどっち?

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この記事の筆者:三好アキ


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🔹 自身のJavaScript挫折経験をもとに、HTMLとCSSの知識だけで本格的なアプリ開発を始められる入門書を多数執筆中。合計著作は22冊を超える。

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WooCommerceとShopify

現在、コロナウィルスと外出自粛によるEC市場の飛躍的な伸びが世界中で見られており、その中でひときわ注目を集めているのがShopifyです。

いま注目を集めるECサイト開設サービス、Shopifyとは?」で紹介したように、Shopifyは全部入りのオールインワン・サービスなので、すぐにネットショップを開設できます。

とはいえ、ECショップ開設の方法はさまざまあり、Shopify以前には「【比較】BASE、STORES.jp、Shopify ― 成功するECはどれ?」で紹介したようにBASEやSTORES.jpなどの国産ECサービスを使うのがポピュラーな方法でした。

またWordPressのプラグイン、WooCommerceを使ったECショップ開設というのも人気でした。

今回は、そのWooCommerceとShopifyの特徴を、比較をしながらくわしく紹介していきたいと思います。

Shopifyとは?

Shopifyはカナダ発のECショップ開設サービスで、アカウントを作成するだけですぐにECショップ立ち上げを行うことができます。

アカウントの作成からショップ開設まで最短5分ほどで済み、このように簡単にECサイトを作れてしまうのは、ShopifyがECショップ開設に特化したサービスだからです。

豊富なテンプレートにより本格的な見た目のサイトを構築でき、また商品の管理画面が非常に充実しているので、商品の在庫管理や売上管理、そして顧客管理も一つの画面で行なっていくことができます。

Shopifyについてより詳しく知りたい方は「いま注目を集めるECサイト開設サービス、Shopifyとは?」を参照してください。

WooCommerceとは?

WooCommerceはShopifyとは違い、これ自体でECショップを開設できるものではありません。

WooCommerceはWordPressのプラグインとして提供されているもので、WordPressに組み込むことでそのサイトをEC化したり、またはEC機能を既存のWordPressのサイトに組み込むことが可能です。

Shopifyが人気を得る以前は、世界的にこのWooCommerceを使ったECショップ開設がポピュラーな手法でした。

設計思想の違い

Shopifyは2004年から始まったサービスで、オールインワンの機能を提供しているサービスです。

一方でWooCommerceは、WordPressのプラグインとして作成されたオープンソース型のシステムで、WordPressのテーマ開発をしていたWooThemesによって2011年に開発されました。

このようの設計思想の違いは、これから紹介する他の項目にそのまま表れます。

WooCommerce Shopify
サービス型
(SaaS / Software as a service)
システム型

想定ユーザーの違い

ShopifyとWooCommerceは想定しているユーザーが異なります。

Shopifyの場合、オールインワン設計のため、誰でも簡単にECショップを開設できることに主眼を置いています。

対してWooCommerceは、そもそもWordPressの知識があることが前提となっているため、ある程度すでに知識や経験のある人がターゲットとなっています。

また、WooCommerceは既存のWordPressサイトに組み込んで使うことができるので、すでにWordPressサイトがある場合には、わざわざShopifyに乗り換えるメリットは薄いといえます。

WooCommerce Shopify
想定ユーザー ある程度知識のある人
すでにウェブサイトがあって、今からEC事業を始めたい人
初心者
これからECショップを始めたい人

テクニカルな難易度

Shopifyは、サービスとしてすべての機能をオールインワンで提供しているため、ユーザーはプラグラミングやテクニカルな知識がなくとも、すべてをShopify側が行ってくれます。

一方でWooCommerceは、元がWordPressのプラグインであるため、WordPressのサイト制作と管理で必要なこと、例えばサーバー管理やセキュリティ対策などは自分で行う必要があります。

WooCommerce Shopify
サーバー管理 必要 不要
セキュリティ対策 必要 不要
テクニカル性 中〜高

カスタマイズ性

ECサイトの見た目は「商品をどれだけ魅了的に見せるか」「ブランドイメージをどのように打ち出すか」というECショップの根幹に関わる非常に重要な要素です。

ECショップをどれくらい自分好みにカスタマイズできるかは、ShopifyとWooCommerceで異なり、ShopifyはBASEやSTORES.jpと比較するとカスタマイズ性が高いものの、WooCommerceと比べた場合にはWooCommerceに軍配が上がります。

WooCommerceは基本的にWordPressサイトなので、WordPressで可能なデザインの変更などは基本的にすべて可能です。

WooCommerce Shopify
カスタマイズ性

商品の管理機能

ECサイトには、普通のウェブサイトとは異なり、特有の機能が数多くあります。例えば商品アイテムの売上管理や販売管理の仕組みで、これらの充実度、使いやすさはそのままショップ管理のしやすさにつながります。

この点、ShopifyはECショップ開設に特化したサービスなので、管理画面の充実度やカゴ落ち機能等の充実ぶりにおいてWooCommerceを上回っています。

WooCommerce Shopify
商品の管理機能

費用

ECショップの開設と維持にかかる費用は、どのようにECショップを開設するかに関わる重要な要素です。

Shopifyには3つのプランが用意されており、一番金額の低いものが「ベーシック」プランの月額29ドルです。

WooCommerceの場合、フリーのオープンソースなので利用料は0円でかかりませんが、サーバー代金や安全性を高めるためのSSL証明書発行費用などが別にかかってきます。これらはレンタルサーバーの提供会社によって異なりますが、およそ月300円〜です。

WooCommerce Shopify
費用 サーバー料金、SSL証明書発行費など 29ドル/月
(ベーシックプランの場合)

データの保存容量

ECショップ開設時には登録アイテムが少なく、データ量に注意を払うことはあまりないですが、ショップの規模が拡大したり、膨大な数のアイテムを扱う場合には注意が必要です。

Shopifyの場合、商品アイテム数の制限はありません。つまりデータ量は気にせずにアイテムの数を増やしていくことができます。

WooCommerceの場合、アイテムの数自体に制限はありませんが、データ量の上限はレンタルサーバーとの契約によります。

普通はレンタルサーバー契約プランによって10GBや50GB、100GBなどの上限があるので、それがECショップに表示できるアイテムの数や写真数に関係してきます。

なお、Shopifyの場合、Shopify側がデータのセキュリティ管理等を行ってくれるのですが、それは同時にShopifyに各ショップの様々なデータが筒抜けになっているということです。データの権利に厳しい諸外国などでは、Shopifyのこの点を嫌って、データの管理をすべて自分で行えるという理由でWooCommerceを選ぶ人が多いようです。

WooCommerce Shopify
データ容量 契約サーバーによる 制限なし

SEO

ECショップへのアクセス数を増やすためには、検索流入数を増やすSEO対策が欠かせません。

Shopifyの場合、SEOはShopify側が自動で最適な対策を行ってくれます。

WooCommerceでは、WordPressのSEO対策用プラグインも活用可能ですが、基本的には自分で行っていく必要があります。しかしこれは「自分で細かくSEO対策を行える」という意味でもあり、まかせきりのような状態となるShopifyにない利点といえます。

WooCommerce Shopify
SEO対策 カスタマイズ可能 まかせきり

まとめ

今回は世界的に注目を集めるShopifyとWooCommerceについて紹介をしました。

このどちらを使ってもECショップの開設は可能ですが、上述のような設計思想の違いから、想定しているユーザーや機能面に大きな違いがあります。

そのような点をよく考慮し、自分のニーズに最も合うものを選んでECショップを開設しましょう。

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