Shopifyを使う前に知っておきたかった3つのデメリット
2020.07.032020.07.04
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この記事の筆者:三好アキ
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Shopifyの短所
世界最大のシェアを誇るECショップ開設サービス、Shopify。
「ECショップを開設したい」「すでにECショップはあるけどShopifyに乗り換えたい」という声を最近よく耳にします。
Shopifyは、ECビジネス上級者も満足できるような機能が十分備わっているので、ショップで扱っているアイテムの種類や、これまでのECビジネスの経験を問わず、誰にでもオススメができますが、では欠点のない完璧なシステムなのかというと、そうではありません。
以前の記事、「いま注目を集めるECサイト開設サービス、Shopifyとは?」でShopifyのデメリットに触れたことがありますが、今回はより詳しくその点を紹介していこうと思います。
Shopifyのデメリット
プラン料金
「Shopifyのプランを比較して解説します」で紹介したように、ほとんどのユーザーは次の3つのプランのどれかを契約してShopifyの利用を始めます。
ベーシック | スタンダード | プレミアム | |
---|---|---|---|
月額利用料 | 29ドル | 79ドル | 299ドル |
ご覧のように、最も価格の低い「ベーシック」は29ドル/月から利用が可能で、この価格自体は「高い」という印象を与えないかと思います。
しかし、例えば個人でECショップを開設する場合、最初の数ヶ月間は売上がまったくないというケースはよくありますし、また年間に換算すると348ドル、およそ36,000円(1ドル = 103円)と、意外に負担が大きく感じられると思います。
国産のECショップ開設サービスには無料プランがあるので、「売上が上がってきたから有料プランに移行しよう」という柔軟な運用ができますが、Shopifyはそのように使うことはできません。
その分、最初から使える機能が多く、またブランディングにも強いので、長期的な視点でECショップを考えている人向きといえるでしょう。
アプリ料金
Shopifyの特徴の一つに「アプリ」があります。
アプリをダウンロードすることでデフォルトの機能を拡張して使うことができ、3,000個以上のアプリがShopifyのAppストアで利用可能です。
要領としては、スマートフォンにアプリをPlaysストアからダウンロードするのと同じですが、違いはShopifyのアプリは、有料のものがほとんどであることです。
中には無料とは思えないほど高機能なものもありますが、スマートフォンのアプリと比べると、有料アプリの数は圧倒的です。
ショップ開設初期はアプリを入れずに使っていても大きな不便は感じないかもしれませんが、ショップの規模が大きくなったり、扱うアイテムの数が増えると、それ専用のアプリが複数必要になる時がくるので、入れるアプリの数と料金体系(買い切りか月払いか)には注意をしましょう。
ブログ機能
オンラインショップへのアクセス経路には、広告からの流入、SNSからの流入、そしてオーガニック検索からの流入の3つがあります。
短期的には広告やSNSに頼っていても、長期的にはオーガニック検索の流入を増やすことが利益率を高めるコツで、そのオーガニックのトラフィックを増やすにはコンテンツ・マーケティング、典型的にはブログ記事を書いていくことが最も効果的とされています。
Shopifyでもデフォルトでブログが利用でき、ビギナーの方にはそれで十分かと思いますが、WordPressなどと比べると柔軟性が低いのは否めません。
ウェブサイトのブログページは、頻繁に更新する分、目を通す機会も多く、「カスマイズしたい」という気持ちが湧いてきやすいところです。
そこで、特にWordPressを使ったことのあるユーザーならなおさら、Shopifyのブログ機能は使い勝手やカスタマイズ性に制限が多いと感じてしまうでしょう。
プログラミング言語
これはある程度、技術的な知識がある人向けになりますが、ShopifyのサービスはShopify独自のテンプレート言語、Liquidで開発されています。
LuquidはRubyをベースにShopifyが開発したもので、HTMLやCSS以上のカスタマイズ行おうとする場合、このLiquidを勉強していく必要があります。
通常、そのような場合にはShopifyを専門にするエンジニアを雇うことになりますが、Liquid自体がShopifyでしか使われておらず、Shopifyエンジニアの数も少ないので費用も高額になります。
「独自言語で開発されている」というのはビギナーには目が届きにくいところの話ですが、中長期的にショップの運営を行なっていくと必ず専門的なカスタマイズを行いたくなる時がくるので、頭の片隅に覚えておくとよいでしょう。
まとめ
今回はShopifyの短所や、知っておいた方がよいことを紹介しました。
上のような短所やデメリットがあるとはいっても、Shopifyが本格的なECショップ開設のためのオールインワンのサービスプロバイダーであることは変わりません。
ここが機能やブランディングで劣る国産のECショップ開設サービスや、セットアップまでに自分で多くの作業が必要となるWordPressのECショップ(WooCommerceなど)とは違う点です。
オンラインビジネスも他のビジネスと同じく、中長期的なプランで運営を行なっていく必要があるので、長い目で見た時に最適な方法でECショップを開設しましょう。
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