「理解してから進む」が遠回りになる理由
2025.8.9
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この記事の筆者:三好アキ
🟢 専門用語なしでプログラミングを教えるメソッドに定評があり、1200人以上のビギナーを、最新のフロントエンド開発入門に成功させる。
🟢『はじめてつくるReactアプリ with TypeScript』、『動かして学ぶ!Next.js/React開発入門(翔泳社/*韓国でも出版)』著者。
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一つひとつ理解して進む
私はプログラミングをビギナーに教えています。
すると、「教材の各単元を一つひとつ理解してからじゃないと進めない」という人を見かけます。
【目の前のことをしっかり理解してから次に進む】
勉強とは積み上げていくものなので、このアプローチは一見正解に見えます。
しかし頭の中で考えた正解らしいことが、現実で本当に機能するかは別です。
私の経験では、このようなアプローチは効率が悪いばかりか、挫折リスクも高めると考えています。
うるし塗り勉強法
というのは、私を含む大半の人は、理解に時間がかかるからです。
さらに理解したこと・覚えたことも、すぐに忘れていってしまうからです。
ではどうすればいいのか。
簡単です。
繰り返すことです。
繰り返し繰り返し、何度も同じ部分に目を通すことで、ゆっくりと理解は深くなっていきます。
さらに何度も目にしたものは、記憶に残りやすくもなります。
これは「うるし塗り勉強法」とも呼ばれます。
うるし塗りとは日本の伝統的な塗りの技術ですが、職人はうるしを食器に何度も重ね塗りをします。
「薄く塗っては乾かし、薄く塗っては乾かし・・・」と、薄いレイヤー(層)を何度も積み重ねていくことで、耐久性が高くなるのです。
勉強でいうと、「断片的な理解」や「断片的な知識」を何度も重ねてゆくことで、全体の理解につなげていきます。
さらにこの勉強法には、全体像を先に把握できるというメリットもあります。
全体像の把握
教材をとにかく一度最後まで終えると、その教材のイメージが(漠然とですが)頭の中に描けます。
「あの項目は本の中盤あたりにあったな」
「終わりの方では、あんな項目があったな」
といったことです。
これは「地図を手に入れた」ともいえます。
一回目を終えた時点では、まだ地図はぼんやりしていますが、何度も繰り返すことでハッキリとしてきて、それぞれの位置関係がよりクリアに見えてきます。
地図があれば、より効率的に進めていくことができるでしょう。
さらに地図を得ることは、次に紹介する「つながり発見」を起こすための重要な下準備でもあります。
点と点がつながって線になる
勉強を続けていると、次のような体験を必ずします。
「あ、なるほど。あそことここは実はつながっているんだ!」
「教科書の10ページ目と200ページ目に書かれている一見まったく関係のないことが、実は同じ原理に由来している!」
このような「つながり」が見えた瞬間というのは、本当に楽しいものです。
また、ある種の不可思議さも感じます。
やや誇張していえば、地球、あるいは人生にあるものはすべて関係しているといったような、関係性に対する畏怖です。
それはさておき、この「つながり」の発見は勉強の醍醐味のひとつであることは間違いなく、これがさらに勉強継続のモチベーションを生みます。
(*この「つながり」については、下記記事にくわしく書いてあります▼)
完璧主義的に一つひとつ理解してから次に進むのではなく、肩の力を抜いて「少しわかればいいか」という気持ちで教材を進めてみましょう。
できるだけ短時間で教材の一周目を終わらせ、何度も繰り返すことで、理解は確実に深まっていきます。
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