なぜ「Reactはライブラリだ」と主張する人がいるのか?
2025.8.14
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この記事の筆者:三好アキ
🟢 専門用語なしでプログラミングを教えるメソッドに定評があり、1200人以上のビギナーを、最新のフロントエンド開発入門に成功させる。
🟢『はじめてつくるReactアプリ with TypeScript』、『動かして学ぶ!Next.js/React開発入門(翔泳社/*韓国でも出版)』著者。
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Reactはライブラリか、フレームワークかという話
「Reactはライブラリですよね。でも、あの人はフレームワークと言っている。間違ってる!あの人の言うことはもう信用できない」
最近このように言う人に会いました。
私は内心、「ああ、またいつもの話だ」と思いながら聞いていました。
というのは、Reactはライブラリか、フレームワークかという話は定期的に出てくるもので、こだわる人はそこに強くこだわるからです。
このように書くところから明らかなように、私は「別にどっちでもいい」という立場です。
Reactがフレームワークとされる理由
React公式サイトを見ると、「A JavaScript library for building user interfaces(ユーザーインターフェイスを作るためのJavaScriptライブラリ)」と大きく書いてあります。
つまりReact公式は、自らを「ライブラリ」と呼んでいるのです。
この文章は長い間変わっていません。
ならばなぜ、「Reactはフレームワークである」と言う人が出てくるのでしょうか。
「Reactは事実上フレームワークだから」という、実際的な理由を挙げる人もいます。
他に便宜的な理由として、Vue、AngularというReactの類似テクノロジーが自らを「フレームワーク」と呼んでいることも挙げられるでしょう。
Vue、Angular、React。この3つはほとんど同じことを実現できます。
なので、例えば「人気のJavaScriptフレームワーク」といった記事を書く時、まずVueの説明を書き、次にAngular、そして最後に「ライブラリ」という別項目を立ててReactを書くのは煩雑です。
読む人(=知識の少ない初心者)も、「フレームワーク」「ライブラリ」という2つの単語をまず理解しなければならず、負荷を感じます。
ならば、正確性を犠牲にしても「フレームワーク」という言葉で3つを一括りにした方がすっきりします。
私が「Reactはフレームワーク」と書く理由
私は教材の中でReactを「フレームワーク」とずっと呼んでいます。
「ライブラリ」という言葉は使ったことがありません。
これは上記の理由と同じで、記述の簡潔さを優先させているからです。
「Reactがライブラリであるか、フレームワークであるかといったことは、Reactを使えるようになった後に考えればいい話で、ビギナーの時点では不要なこと」と考えているからです。
「Reactはライブラリなのに、あなたの本にはフレームワークと書いてある」
と言ってくる人に、これまで私は運良く会ったことがありません。
しかしここにこだわる人が一定数いるのは知っていたので、昨年、翔泳社から出したReactの本には、次の一文を加えてあります。
【・・・なおReactは、厳密には「フレームワーク」ではなく「ライブラリ」であるとされますが、本書では読者のわかりやすさと記述の簡潔さを優先して「フレームワーク」で統一しています。】
言葉にこだわるのは悪いことなのか?
ここまで私は、いわば「言葉の定義も重要だけど、より重要なのはそれが使えること。言葉とか分類法とかいうのは、後付け」といった立場で書いてきました。
しかし言葉にこだわる人の気持ちはよく理解できます。
特にビギナーの時には、言葉の一字一句に引っかかってしまう。
「別にそこまでこだわらなくてもよかったな」と思えるのは、ある程度時間が経ち、理解が深まり、全体を俯瞰する視野を持てたときです。
こちらの記事でも書きましたが、私がJavaScriptで挫折したのは、まさに「言葉にこだわったから」です。
「オブジェクト」「引数」「メソッド」といった言葉が理解できず、先に進めなかったのです。
「別にそこまで言葉にこだわる必要はなかったな」と振り返れたのは、JavaScriptをある程度使えるようになってからでした。
このように考えてくると、「Reactはライブラリかフレームワークか」と言っている人を見たとき、私は些細なことにこだわっていた過去の古傷を思い出しているのかもしれません。
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