執筆作業の後に気をつけていること

blog-hero-img本を書いた後の読み直し作業(校訂)で気をつけているポイントを紹介します。

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この記事の筆者:三好アキ(ウェブエンジニア)


「売り上げが伸びない」、「ウェブサイトから問い合わせが来ない」など、ウェブでお困りのお客さまの課題解決を、最新の知見を活かして行なっています。海外滞在が長く、日本語の情報が少ないJamstackやヘッドレスCMSなど最新のウェブテクノロジー、ウェブマーケティングに精通。事業について詳しくはこちらをご覧ください。


ウェブ制作の教本『はじめてつくるReactアプリ』など複数冊を執筆。本に関するインタビュー記事はこちら。



私の文章の直し方

ここ最近、プログラミング関連、あるいはまったくプログラミングとは関係ない分野での執筆作業に関わることが多々あります。

ブログのように軽いタッチで書けるものにはそこまで時間はかけませんが、オフィシャルな形、あるいは有料で発表するものの場合、時間を多く取られるのが執筆終了後の校訂作業です。

特に体験談や感想などを書くエッセーなどの場合、この作業に多大な時間がかかります。

今回はエッセーや随筆を書いた後の校訂作業時に、私が気をつけているポイントを紹介します。

誤字脱字の修正

校訂の最初のステップは純粋なミスの訂正です。

次のような誤字脱字や漢字の変換ミスを修正します。

どのようにようにやり過ごしていたのかを思うと

どのようにやり過ごしていたのかを思うと

ほどんと行くことのない

ほとんど行くことのない

日本を経つ

日本を発つ前

自身のなさとして現れ

自信のなさとして表れ

彼と再開した時も

彼と再会した時も

滞在を一日伸ばして三泊四日にした

滞在を一日延ばして三泊四日にした

車が雑然と止まる広い駐車場

車が雑然と停まる広い駐車場

公演の面積の半分

公園の面積の半分

社会の通年

社会の通年

補足され得ないもの

捕捉され得ないもの

彼女は私の知らない単語いくつも使うので

彼女は私の知らない単語をいくつも使うので

妙な高揚感を産んでいた

妙な高揚感を生んでいた

ふりがなの追加

読みにくいと思われる単語、あるいは特定の読み方をしてもらいたい単語にはふりがなをつけます。

まみれる

斟酌しんしゃく

莫迦ばか

さら

もろ

夢幻ゆめまぼろし

はかな

けが

かげ

いさか

簒奪さんだつ

つまびらか

はら

瑕瑾かきん

「という」の削除

これは定番ですが、「〜という」を書き言葉に使うとクドく感じることが多いので削除します。

自主的にデータを生み出したり、写真を選んだりしているのではないということです。 

自主的にデータを生み出したり、写真を選んだりしているのではないことです。

総理大臣が一年ごとに変わるということも、日本という国の現在や将来の暗さを表す象徴的な出来事に見えていた。 

総理大臣が一年ごとに変わることも、日本という国の現在や将来の暗さを表す象徴的な出来事に見えていた。 

重複表現の修正

「こと」や「〜感を感じる」、「感覚を覚える」といった同じ表現や意味の重複は、読者に気づかれないことも多いですが、著者としては気になる時が多々あるので修正します。

なんらかのフォームへと発展させることが必須であることだった。

なんらかのフォームへと発展させる作業が必須であることだった。

「一緒に旅行する」とか「一緒に買い物に行く」とかいった、社会に用意された型枠をなぞることしか、ガールフレンドとすることはないことに気がつかざるを得なかった。

ただ「一緒に旅行する」とか「一緒に買い物に行く」とかいった、社会に用意された型枠をなぞるしか、ガールフレンドとすることはないという事実に気がつかざるを得なかった。

英語で返事をしてみて、自分の話したことが理解されたことに、妙に胸が高鳴った。

英語で返事をしてみて、自分の話した言葉が理解されたことに、妙に胸が高鳴った。

罪悪感を感じたくなかったが

罪悪感を持ちたくなかったが

罪悪感を感じるのではなく

罪悪感を覚えるのではなく

その責めを受けるべき存在であるかのような感覚を覚えた。

その責めを受けるべき存在であるかのような気がした。

*「疑うこと」の重複

常識を疑うことや当たり前を疑うことを

常識を疑うことや物事の裏を見ることを

*「墓」の重複

彼の墓はどこも特別なところのない普通の墓であったが

彼の墓はどこも特別なところのない普通の姿形すがたかたちであったが

*「は」の重複

当時の私はこういった態度は彼女特有のものであると考えていた。

当時の私はこういった態度を彼女特有のものであると考えていた。

*「できる」の重複

これに対応できる機能を追加できれば解決できそうです。

これに対応できる機能を追加すれば解決しそうです。

同じ構造の文章の連続

下の例のように「〜が」を逆説ではなく順接として使った場合、往々にして同じ構造を持った文章を連続させてしまうことがあります。

これも上で書いた文末表現の連続と同じように読者には退屈に感じられるので、修正します。

*修正前

一五時にワルシャワに着くと大雨が降っていた、Tamka通り三〇番地にある宿、Tatamka Hostelへついた時にはもうあがっていた。これから四年後に私はワルシャワに二年間住むことになるのだ、その時に何度か行った美容室は、このホステルの向かい側にあった。

*修正後

一五時にワルシャワに着くと大雨が降っていた。しかしTamka通り三〇番地にある宿、Tatamka Hostelへついた時にはもうあがっていた。これから四年後に私はワルシャワに二年間住むことになるのだが、その時に何度か行った美容室は、このホステルの向かい側にあった。

文末表現の修正

谷崎潤一郎などもいっているように、文の終わりのバリエーションが非常に少ないのが日本語の欠点です。

これは特に「です・ます」調の文章を書くときに感じられますが、「である」や「〜だ」という文章でも、末尾の繰り返しを避けるのが難しいケースは多々あります。

*修正前

「日本人は云々」、「イギリス人は云々」という大雑把な概括論が始まるのはここからである。そしてそこから一歩先に進んで、「個人」というレベルでのコミュニケーションを行えるようになってもなお、何かの拍子には、特に予想外のことがあった時には、「やっぱり日本人は云々」、「やっぱりイギリス人は云々」という一番表層の認識へと弾き返されてしまうのである。

*修正後

「日本人は云々」、「イギリス人は云々」という大雑把な概括論が始まるのはここからである。そしてそこから一歩先に進んで、「個人」というレベルでのコミュニケーションを行えるようになってもなお、何かの拍子には、特に予想外のことがあった時には、「やっぱり日本人は云々」、「やっぱりイギリス人は云々」という一番表層の認識へと弾き返されてしまう。

語順の変更

文章を書いている時や、読み直しの回数が浅い時などには気がつきにくいですが、語順を入れ替えることで文章はいっそうわかりやすくなります。

ロンドン名物の箱のような黒塗りのタクシーが停まり、男が中から出てきた。

ロンドン名物の箱のような黒塗りのタクシーが停まり、中から男が出てきた。

養親とは今も会うが、母親は干渉ばかりして嫌いで、父親だけが

養親とは今も会うが、干渉ばかりしてくる母親は嫌いで、父親だけが

いくつものレンガ造りの建屋が並んでいた

レンガ造りの建屋がいくつも並んでいた

三月三〇日からはサマータイムが始まったが、これから明るい希望を強いられるような時間が増えるのかと思ってうんざりしたところにも、私の心情がよく表れていた。

三月三〇日からはサマータイムが始まったが、明るい希望を強いられるような時間がこれから増えるのかと思ってうんざりしたところにも、私の心情がよく表れていた。

私はこんな人間と将来にわたって付き合っていくことに再び不安を覚えた。

こんな人間と将来にわたって付き合っていくことに私は再び不安を覚えた。

私はかつてはそういう人たちの書いた本を楽しく読んでいた。

かつてはそういう人たちの書いた本を私は楽しく読んでいた。

漢字が連続する文章にある種の「読みにくさ」や必要以上の「硬さ」を私は感じるので、できるだけひらがなやカタカナと組み合わせるようにしますが、それが難しいケースもあります。

ショッピングモールで彼と偶然再会した時も

上の文章では「偶然」と「再会」という漢字が連続しています。この語順を入れ替えると次のようにできますが、依然として連続しています。

ショッピングモールで偶然彼と再会した時も

なので「偶然」を文頭に持ってきます。しかし前記2つの文章と比べて文意がやや取りにくくなり、不自然さを感じます。

偶然ショッピングモールで彼と再会した時も

「てにおは」の変更

これ以降触れるポイントは、必ずしも文法的な間違いや不自然さが感じられるものではなく、個人の好みの話になります。

まず助詞の修正ですが、これは個人的にかなりその時の感覚や気分が影響してくるので、ある日直す必要を感じなくても、別の日に読んだら気になるということがあります。

しかしもし私最初に読んだものがこの短編でなかったのなら

しかしもし私が最初に読んだものがこの短編でなかったのなら

だからといって、テレビ局の仕事ある日も空虚だった。

だからといって、テレビ局の仕事のある日も空虚だった。

ビクトリア駅から二〇分のところにある、人口四万五千人ほどの街

ビクトリア駅から二〇分のところにある、人口四万五千人ほどの街

春の近い、あたたかく美しい二月の午後で

春が近い、あたたかく美しい二月の午後で

ホットチョコレートを頼んで席へとやってきた。

ホットチョコレートを頼んで席へやってきた。

読点の変更

「読点を打つ場所はここ以外ありえない」という時もありますが、同時に「てにおは」と同じように、感覚的に決めていく時も多々あります。

最近の私は文章のなめらかさが気になることが多いので、読点は少なめにしています。

そこはさきほど、私が確認していたドアで、誰の名前も学校のエンブレムも

そこはさきほど私が確認していたドアで、誰の名前も学校のエンブレムも

サイン会の会場は、ロンドン中心部、ピカデリーサーカスにあるウォーターストーンズという大きな書店だった

サイン会の会場はロンドン中心部、ピカデリーサーカスにあるウォーターストーンズという大きな書店だった

こういう筋道立った論理的な道理を理解せず、いや理解していたとしてもそれに背くことが愛の証となるといわんばかりの身勝手さと独占欲

こういう筋道立った論理的な道理を理解せず、いや理解していたとしても、それに背くことが愛の証となるといわんばかりの身勝手さと独占欲

ひらがなの使用 その1

ケースバイケースですが、私は一部の漢字をあえてひらがなに直すことがあります。

漢字の見た目が生み出す威圧感を低減したい時や、文書の中で漢字が連続することを避けるためです。

下で紹介するように、特に「既」、「後」、「初」、「最」、「事」などを含む文章は、「漢字 + ひらがな + 漢字 + ひらがな etc.」といったように、短い間で漢字の連続する文章になるケースが多いので、ひらがなを使うようにします。

私の悪い癖は、既に相手が許しているにもかかわず

私の悪い癖は、すでに相手が許しているにもかかわず

夜、明かりを落とした後の時間は特に強い印象を残していた。

夜、明かりを落としたあとの時間は特に強い印象を残していた。

就業中に最も難しいことは自己管理だった。

就業中にもっとも難しいことは自己管理だった。

一〇月初めの週末の昼過ぎだった。

一〇月はじめの週末の昼過ぎだった。

自分の言ったことに自分で笑い転げているような人

自分のいったことに自分で笑い転げているような人

澄んだ空に珍しく満月が浮かんでいた。

澄んだ空にめずらしく満月が浮かんでいた。

ひらがなの使用 その2

ひらがなの持つ柔らかさを活用したい時にも漢字を避けます。

手を繋いで

手をつないで

朝が来た。周囲が明るくなった。

朝が来た。まわりが明るくなった。

カタカナ、漢字の使用

上でひらがなの使用について書きましたが、同じひらがなが連続してしまう場合は、切れ目をはっきりさせるために漢字やカタカナを使います。

ははじめて気がついた

私は初めて気がついた

赤れんがが歩道に沿って伸びている

赤レンガが歩道に沿って伸びている

主語の省略

「私は」や「私が」といった主語が多い文章にはあるくさみを感じるので、最近はなるべく省略するようにしています。

それ以外は私はずっと月島のベンチにすわっていた。

それ以外はずっと月島のベンチにすわっていた。

これは私が高校時代に散々見ていたフランス映画の影響

これは高校時代に散々見ていたフランス映画の影響

私はかねてより「クリスタルパレス」という豪華な名前に興味を覚えていたが

かねてより「クリスタルパレス」という豪華な名前に興味を覚えていたが

余分な表現の削除

余計な言葉や、なくても意味が通じる表現は削除、あるいはわかりやすく書き換えます。

高校の同級生と会って聞いた小話だった

高校時代の同級生から聞いた小話だった

自然と私は、同居する家族と過ごす時間をなるべく避けるようになった

自然と私は、同居する家族と過ごす時間を避けるようになった

最後のアルバイトの日の帰り道に

アルバイト最終日の帰り道に

郵便受けにかかれているかもしれないと思って探してみても

郵便受けにかかれているかもしれないと探してみても

友達作りに対しても、家探しにも積極的でない私は

友達作りにも、家探しにも積極的でない私は

てっきりサイン会が終わるまで通常の営業は停止して

サイン会が終わるまで通常の営業は停止して

滞在に関する制限であった。

滞在に関する制限だった。

なにか堅苦しい態度を終始持していたような記憶がある

どこか堅苦しい態度を終始持していた記憶がある

その裏返しで「自分は特別な存在だ」と自惚れるのも、すべては同根なのである。

その裏返しで「自分は特別な存在だ」と自惚れるのも、すべては同根である。

クラクフを去って向かったのは

クラクフから向かったのは

表現の変更・追加

印象を強めることを狙って、言葉を追加したり言い換えたりすることもあります。

体のまわりを包んでいる重くしめった空気と

体のまわりを包んでいる夏の夜の重くしめった空気と

他者とのコミュニケーションによってはじめて伸ばせる能力

他者とのコミュニケーションによってのみ伸ばせる能力

シュワルツェネッガーはまさに「ヒーロー」だった

シュワルツェネッガーはまさに文字通りの「ヒーロー」だった

五〇年の時が流れても通用する作品が生み出されたこと

五〇年の時が流れてもなお通用する作品が生み出されたこと

家に帰る人の往来の中でも、簡単に彼を見つけられた。

家に帰る人たちの往来の中でも、簡単に彼を見つけられた。

「adapted」という単語を頻繁に使った。

「adapted」という単語を何度も使った。

彼女が抱える苦しみや痛みについての話題

彼女が抱える苦しみや悲しみについての話題

この関係を白黒はっきりさせること

この関係に白黒つけること

澄んだ空気にめずらしく月が浮かんでいた

澄んだ空にめずらしく月が浮かんでいた

春は近づいてきていた。

春はすぐそこだった。

カビ臭いひなびた空気が感じられた。

カビ臭いひなびた空気が店内に充満していた。

自分の意思で行動しているのではなく、社会の、世間の、常識の提供する筋書きにならっているだけという感覚と、否応のない不自然さ・・・。

自分の意思で行動しているのではなく、社会の、世間の、常識の提供する筋書きにならっているだけという否応のない不自然さ・・・。

このなんの意味もなかったはずの小さな出来事をふりかえって

なんの意味も持たず、忘れ去られる運命にあったはずのこの小さな出来事をふりかえって

事件からずいぶん時間が経って

事件からずいぶん時間が流れて

卒業まで余計に二年かかる

卒業までさらに二年かかる

この世から人間関係にまつわるあらゆる悩みは消えるであろう。

この世から人間関係にまつわるあらゆる悩みは消えるだろう。

移民というとネガティブな話が多く、特にこの男のように白人のヨーロッパ人が反対する最大勢力だと思っていたので

移民というとネガティブな話が多く、特にこの男のように白人のヨーロッパ人が最大の反対勢力だと思っていたので

予想外の反応に私は一瞬冷水を浴びせられた気がしたが

予想外の反応に私は一瞬背筋が冷たくなるのを覚えたが

わざわざ「日本文化は」という枕詞で自分を正当化したり、主張を補強する必要はない。

わざわざ「日本文化は」という枕詞で自分を正当化したり、主張を補強したりする必要はない。

老妻が背を曲げたとき、開いたシャツからのぞいた胸の真ん中によった大きなシワが見えた。

老妻が背を曲げたとき、開いたシャツからのぞいた胸の真ん中に、大きなシワのよるのが見えた。

この人はこれから空港に行って外国に行くのだと思うと

この人はこれから空港に行って外国に向かうのだと思うと

「より」の削除

ここと次に説明するポイントは完全に私の好みです。

最近の人が書いた文章を読んでいて、「より」という表現に違和感を感じることがしばしあります。

これは、より正確には、床に置いて使われる。

思ったよりも、より多くの数が届いた。

推測ですがもともと「より」は、ニュースの見出しや記事の目次といった、短い文章の中での強調効果に使われていたものであって、それがいつのまにか文章の中でも使われるようになったのだと思います。

この言葉は便利で、私も無意識に使っていることがありますが、違和感を覚える時が多々あるので校訂作業で直します。

これはその機能を補助するものであり、より正確には、これらの操作が実行される前に

これはその機能を補助するものである。具体的にいうと、これらの操作が実行される前に

特に恋愛の場面でより著しいものだろう

特に恋愛の場面で著しいものだろう

なんとしてでも男からの注目を集めようとする態度への理解をより難しくしている。

なんとしてでも男からの注目を集めようとする態度への理解をいっそう難しくしている。

国民性とか文化とかいうより大きなものに溶け込まされて

国民性とか文化とかいう一段大きなものに溶け込まされて

「形容詞 + です」の修正

私は「形容詞 + です」の表現に強い違和感を覚えます。

速いです。

多いです。

欲しいです。

わかりづらいです。

(可能性が)高いです。

(会わないと)いけないです。

(関係が)深いです。

うれしくないです。

「形容詞 + です。」の形は必ずしも間違いとはいえず、昭和の国語審議会などでは認可も出ていますが、書き言葉の地の文でこのような表現を使うと、どんなに立派なことを書いていてもまるで小学生の日記のように幼稚で、ぶざまで、間の抜けた印象を生むので注意しましょう。

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