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勉強が楽しい……でもそれは危険信号かも?【チュートリアルヘル】の怖さ

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この記事の筆者:三好アキ


🟢 専門用語なしでプログラミングを教えるメソッドに定評があり、1200人以上のビギナーを、最新のフロントエンド開発入門に成功させる。
🟢『はじめてつくるReactアプリ with TypeScript』、『動かして学ぶ!Next.js/React開発入門(翔泳社/*韓国でも出版)』著者。


▼ Amazon著者ページはこちら
amazon.co.jp/stores/author/B099Z51QF2



プログラミング学習者がハマる罠​

「チュートリアル・ヘル」という言葉があります。

実は、多くのプログラミング学習者がぶつかる大きな問題です。

しかし、ほとんどの人はこの言葉を聞いたことがないと思います。

Google検索でも引っかかりません。

しかし、オリジナルの英語表記「Tutorial hell」で調べてみると、大量にヒットします。

「hell」とは「地獄」なので、「チュートリアルの地獄」ということですが、一体これはどういう意味なのでしょうか?

手段の目的化

たとえば、プログラミングを勉強する多くの方は、次のような目標を持っています。


「キャリアチェンジをしたい」​

「エンジニアとして就職したい」

「フリーランス案件を取りたい」


私の生徒も、ほぼ全員がこうした目標を持っています。

このような「仕事獲得」が「目標」の場合、「プログラミング学習」とは、そこへ到達するための「手段」です。

ところが、この「手段」であるはずの勉強が、いつの間にか「目的」になってしまうことがあります。

私も経験があります。

プログラミングの勉強だけでなく、受験勉強や英語学習など、これまでの人生でしてきた勉強のなかで必ず一度は、目標が見えなくなり、勉強自体が目的化してしまうことがありました。

この「手段の目的化」。

実はこれこそが「チュートリアル・ヘル(チュートリアルの地獄)」なのです。

教材の無限ループ

ブログ記事、書籍、動画などの教材を一つ終えるたび、私たちは快感を覚えます。

知らなかったことを知る喜び

人生がすこし前に進んでいる実感

つまり、「自分が変わる快感」です。

どんなに小さなタスクでも、それを終えることで、ドーパミンなどの快楽物質が放出されます。

最近では「作業興奮」とも呼ばれています。

「前に進んでいる感覚」はとても気持ちが良いものですし、実際に非常に大事なことだと私は考えています。

しかし勉強をしている「目的」は、就職や案件獲得といったことのはずです。

学習素材、特にオンラインと相性が良いプログラミングの学習素材というのは、探せば無限に出てきます。

このような「教材の無限ループ」にはまってしまい、抜け出せなくなる状態。

これが「チュートリアル地獄」です。


余談ですが、Reactの全範囲を網羅した『Reactマスター』コースおよび、そのTypeScript版である『TypeScriptマスター with React』コースを私が作ったのは、学習者の皆さんが「チュートリアル地獄」に陥るのを防ぎたかったからです。

Reactの知識を断片的に提供するのではなく、すべてを一つにまとめたパッケージとして構成することで、「このコースひとつで完結するオールインワンの学習教材」、「このコースさえやれば、ReactとTypeScriptは十分だ」と自信を持って言える構成になっています。

詳しくは▼

monotein.base.shop/p/00005

チュートリアル・ヘルは絶対悪ではない

さて、ここまでの記述でわかるように、「チュートリアル・ヘル」は、一般的にネガティブな文脈で使われる言葉です。

しかし私は個人的に、「勉強をしていたら、そういう時期もあるよね。むしろ大切だよね」と思っています。

ご飯を食べるのも、友だちと遊ぶのも、睡眠をとるのも惜しくなるほど、勉強が楽しくてのめり込んでしまう時間。

私自身もこういう時期を人生で何度か経験しました。

あの時は、脳内でドーパミンがドバドバと出ていたのでしょう。

単なる手段であるはずの「お勉強」が完全に目的化していました。

しかし振り返ってみれば、「とっても充実していた時間」として思い出されます。

「我を忘れて勉強に没頭すること」、「無我夢中であること」と、「チュートリアル・ヘル」とは、いわば背中合わせ、紙一重の関係にあるのだと思います。

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